次世代スーパーマイクロサージャリー研究会

次世代スーパーマイクロサージャリー研究会にぜひご参加ください
医療従事者、アカデミア、学生の方は無料です。企業や行政の方は有料となります。

2024年度手術の未来オンライン講演会では、スーパーマイクロサージャリーの世界的権威である光嶋 勲教授と、スーパーマイクロサージャリーを起点に国内外で医療の最前線で活躍する、普段会えないドクターが毎月登壇し、開発中の医療機器や先端の治療法、研究中の技術などを語っていただく、知る人ぞ知る大変貴重な講演会です。
また、講演後のパネルディスカッションを通して視聴者がドクターと対話できる、活気あふれる講演会となっており積極的に視聴者の方も参加いただけます。
手術の未来2024・外科医と企業によるイノベーションをめざして
【8/20開催】第17回講演会・手術の未来2024
Live
【8/20開催】第17回 手術の未来
2024 8/20 18:00
第17回オンライン講演会手術の未来では、浜松医科大学 形成外科 中川 雅裕教授と帝京大学医学部附属病院 外傷センター御任 大輔先生をお招きし、ご講演いただきます。 中川 雅裕教授からは、がんの手術に必要な血管やリンパ管の吻合術や、現在研究されているレーザーによる血管やリンパ管の吻合など、治療の現場で見出される吻合術の最前線について講演いただきます。御任 大輔先生は、末梢組織血流評価法を研究しており、組織の血行動態に関する信頼性の高い情報を提供する計測機器開発と実装に成功されました。外科手術領域において応用分野を展開しつつあるこの検査手法について、その原理、臨床現場での応用例と限界、そして研究における最前線について講演いただきます。 本研究会の光嶋 勲会長(広島大学病院 形成外科 教授)からは、招待講演に関連する最新知見、世界の動向をご紹介します。講演後、登壇者とのパネルディスカッションは好評で、Q&Aを通して登壇者と対話ができる活気あふれるオンライン講演会です。ぜひご視聴ください。 企業の皆様、 本研究会は次世代のスーパーマイクロサージャリー実現に向けて医の巨匠と企業とのコラボレーション創出を推進しています。医療イノベーションを志す企業の皆様は、ぜひこの機会に講演会へご参加ください。ご登壇いただいた医師とのご面談を希望の企業の皆様へ面談支援も実施しております。お気軽にご相談ください。
【9/17開催】第18回講演会・手術の未来2024
【10/15開催】第19回講演会・手術の未来2024
Live
ソニーと開発した手術支援ロボットは、スーパーマイクロサージャリーの未来をどう変えるか?
2024 10/15 18:00
【目的】近年、Super-Microsurgery(超微細外科)手術の需要が増える中、手術の精度や簡便性の向上が求められている。我々は、テクノロジーの進化を医療分野に応用することで、手術の質を向上させるため、ソニーグループ株式会社の協力のもと、Super-Microsurgeryを支援するロボットの開発を目指した。 【方法】 (step1)ソニーグループ株式会社の先進的なロボティクス技術と、我々の医療現場での経験・知識を組み合わせて、手術支援ロボットの基本設計を行った。具体的には、ソニーグループ株式会社の技術者が我々の手術を見学し、手術環境の確認や術者の動作解析を行った。また、LVA手術動画の解析を行うことで、Super-microsurgery 手術の流れや、必要な手術器具を検討した。 (step2)我々は普段から、手術助手や器械出し看護師を必要としない solo-surgeryを行っていることから、また、医療の効率性や経済性を向上させる目的で、ロボットに手術器具交換の機能も備えた基本設計を行った。 (Step3) 0.3mm人工血管による吻合、及び、糸切りをロボットにて行った。 【結果】ロボットによって、2名のLVAに熟達した形成外科医が0.3mm人工血管の吻合に成功した。吻合時間に関しては、現段階では、他のSuper-microsurgeryロボットと同様に、熟達者の方が短かった。手術助手や器械出し看護師の補助なしで、10秒以内に手術用持針器、鑷子、ハサミを正確に交換することができた。【 【考察】ソニーグループ株式会社のロボティクス技術と医療の現場知識や経験の融合によって、超微細外科手術の支援ロボットの開発がスタートし、試作機の完成を得た。このロボットの特徴は、Super-microsurgery を Solo-surgery にて実施できることである。本ロボット導入により、手術時間短縮や医師の疲労軽減、そして手術の精度向上、手術コストの低減が期待できる。今後は更なる改良や、他の外科分野への適用可能性も探求していく。
【11/19開催】第20回講演会・手術の未来2024
【12/17開催】第21回講演会・手術の未来2024
【2/18開催】第23回講演会・手術の未来2024
Live
血管・リンパ管内皮細胞の可塑性とそのメカニズム
血管とリンパ管は、別々のネットワークを全身に張り巡らせ、それぞれ独立した機能を発揮する。血管の機能としては、主に肺から取り入れた酸素を赤血球を担体として末梢組織に運搬し、毛細血管で組織に受け渡す。一方、リンパ管は毛細血管が回収しきれなかった組織液を取り込み、頸部の静脈角から血管へと環流する。しかしながら、リンパ管内皮細胞は胎生期に静脈内皮から派生するものであり、それぞれへの分化後も多くのシグナル分子を共有する。また血管とリンパ管、特に細静脈と集合リンパ管の組織学的特徴を比べると、マーカー分子による免疫染色を行わない限り、見分けるのは困難である。それ故、両者がお互いをどのように見分け、独立性を担保するのかは不明なところが多い。本発表では、がん抑制遺伝子であるFlcnが静脈内皮において、リンパ管内皮分化のマスター転写因子であるProx1の発現を抑制し、静脈内皮とリンパ管内皮との可塑性を遮断している、つまり「gate keeper分子」としてはたらいていること、発生期の血管内皮細胞の中でも血管先端細胞はリンパ管内皮への可塑性が高いことなど、本研究室の最新の知見を紹介したい。これらの基礎研究は、将来的にはリンパ浮腫や進行がんの病態・治療にも資すると考える。
【3/17開催】第24回講演会・手術の未来2024
手術の未来2024・外科医と企業によるイノベーションをめざして(開催済分)
Live 終了
【7/16開催】第16回 手術の未来 国産マイクロサージャリーロボット開発の最前線ー 多くの患者がマイクロサージャリーを享受する未来。ー
2024 7/16 18:00
我が国の乳がん罹患数は2003年で約4.5万人、16年後の2019年には倍以上となる約9.7万人が罹患し*、確実に乳癌患者は増え続けています。乳房再建手術を希望する患者も増加しており、従来のシリコンを使わず、自家組織である脂肪移植による乳房再建手術は、患者のQOLも高い術式の一方で、マイクロサージャリー(微小外科手術)の技術力を持つ医師は限られているのが現状です。 人間は、微細な動作をする時、手先に震えが自然と発生します。マイクロサージャリーを駆使する医師は、この震えを自制し、顕微鏡を使い極細の針と糸をコントロールする高い技術力を、時間をかけて身につけてきました。 九州大学では、2016年、難易度の高い乳がん手術後の乳房皮弁再建術で行う血管吻合や、リンパ浮腫の治療で0.5mm以下のリンパ管と静脈を繋ぐリンパ管静脈吻合術を容易に行うことができる「直径1mmの血管吻合を容易にする顕微鏡下手術支援ロボットシステム」のプロジェクトを立ち上げ、開発に着手しました。手ブレを最大限に取り除きつつ執刀医の動作を再現することを目指し開発をおこなった結果、2019年に試作1号機から2mmの人工血管の吻合に成功しました。約9年間にわたり開発研究に取り組んできた現在では、昨年10月に0.5mm人工血管の吻合に成功し、試作3号機を開発中で今年中に完成する予定です。マイクロサージャリー支援ロボットの目的は、より多くの患者がどの病院でも同じ品質の手術が受けられる、「技術の標準化」を目指しています。本講演では、血管吻合専用ロボットを取り巻く世界情勢についてお伝えします。 光嶋先生からは、最前線の医療現場でおこなわれているリンパ管移植、超音波リンパ穿通枝マッピング、リンパ浮腫、そしてバイオインピダンス客観的評価等に焦点を当て、これらの分野での最新の研究成果や臨床応用についてご紹介します。
Live 終了
手術の未来:3Dで直感的、隣接するリンパ管と静脈に光明が差す。リンパ浮腫検査の最前線。
2024 6/18 18:00
ガン治療の際、リンパ節切除等によるリンパ浮腫を発症する患者が日本でも10万人以上存在し、日常のQOLを制限される患者が、年々増加しています。リンパ浮腫はリンパ液の流れが滞ることで四肢などに「むくみ」が生じてしまう疾患です。リンパ管は全身に張り巡らされたネットワークでありながら、透明で極めて細いことから、術者による観察も非常に困難となっています。リンパ浮腫の手術では、顕微鏡を覗きながら、直径0.5mm以下のリンパ管を静脈と縫い合わせてバイパスを作り、滞ったリンパ液を静脈へ流しスムーズに流れるようにすることで浮腫の改善を図ります。 鈴木 悠史先生をはじめとして、慶應義塾大学医学部 形成外科で取り組んでいる光超音波によるリンパ管イメージングの検査は、従前の検査機器では不明瞭だったリンパ管も、張り巡らされた静脈とリンパ管が色分けされ、3Dとして全方向に可視化されます。これにより、静脈に隣接し、リンパ液をスムーズに流せ、正常に機能しているリンパ管の選定を容易におこなうことができるようになりました。現在、保険適応外の検査手法ですが、患者のQOLを考慮すれば低侵襲の治療が実現できるだけでなく、バイパスさせる静脈とリンパ管を見極めることが容易になったことで術者の負担軽減も図れることから、双方の負担軽減の観点からも早期の保険適応と検査手法の展開が望まれています。同様に三次元的に広範囲にリンパ管を評価することができるMRIと光超音波を比較することで、この最新技術の有用性と課題を紹介します。 光嶋先生からは、最前線の医療現場でおこなわれているリンパ管移植、超音波リンパ穿通枝マッピング、リンパ浮腫、そしてバイオインピダンス客観的評価等に焦点を当て、これらの分野での最新の研究成果や臨床応用についてご紹介します。
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【第14回5/21】手術の未来:音が血管の立体構造を浮彫りにする、血管地図の新技術
2024 5/21 18:00
乳がんによる乳房切除後の乳房再建や、外傷による欠損部位の再建では、太腿や腹部など柔らかくしなやかな皮膚と一緒に血管を移植することで、患者のQOLを実現する再建手術がおこなわれています。今まで移植に必要な部位の見極めは、皮膚下の血管やリンパ管の状況を、エコーを使って判断するなど、医師の経験則頼りでおこなわれてきました。 津下 到先生をはじめとする京都大学が産学官連携により研究してきた光音響イメージングは、水を張った測定面に、移植に必要な部位を置き、512個の音響センサーが血液の流れる音を捉えることで、張り巡らされた血管を立体的に浮彫りにします。この血管の立体画像は、深さに応じた色付けが可能で、移植する血管と皮膚の選択を的確に判断できるようになり、移植回数の低減にもつながっています。 手術時には、医用プロジェクションマッピングを術野に投影する新技術や、皮下血管ナビゲーション遊離皮弁手術により、3次元の血管情報を2次元化した地図に転換するPreFlapアルゴリズムを確立しました。イメージング技術を有効活用した、スピーディかつ患者の負担が少ない手術実現の可能性が拡がっています。 目瀬 藤四郎先生からは、このイメージング技術を、子宮がん、卵巣がんの術後にリンパ浮腫を発症した患者を対象に活用し、リンパ管を静脈にバイパス手術前と3か月後の画像から得られたリンパ浮腫治療と装置の現状、今後の活用方法についてご紹介します。 光嶋 勲先生によるオープニング講演では、リンパ管移植、超音波リンパ穿通枝マッピング、リンパ浮腫、そしてバイオインピダンス客観的評価等に焦点を当て、これらの分野での最新の研究成果や臨床応用についてご紹介します。
手術の未来:2023年度以前
事務局だより