ニーズマッチング

【36】VR技術による「自分が自分に診察される体験」を通じた高度な医学教育システムの構築
呼吸器外科 医師
医学教育において、診察基本手技をどのように指導するかは重要な課題である。診察基本手技は臨床実習前後の共用試験Objective Structured Clinical Examination(OSCE)において問われるが、自分の診察の仕方が患者にどのような思いをさせているかを知ることは、自らの診察技術の向上に直結する。このため、以前は医学生が模擬患者役を担い、被検者としての体験を積む事が可能であったが、昨今は情報漏洩の観点から禁ずる方向になっており、また、女子学生は肌を露出するような診察手技の被検者とはなりにくい。加えて医師役・患者役の学生同士の人間関係によっては、馴れ合いを生じ、思ったような成果が得られない場合がある。 そこで、VR技術を用い「自分が自分に診察される体験」を再現すれば高い教育効果を発揮するのではないかと考えた。具体的には、①まず、自分(医学生)が診察する様子を模擬患者に備え付けたVR撮影用具(カメラ等)で収録する。②その映像をVRゴーグル等で診察者本人に見てもらうことで、「自分が自分に診察される体験」をしてもらう。③自分の診察を患者目線から客観的に評価し、診察手技向上に活用してもらう。①②③のステップは、自らの足らざるところ、盲点になっているところに自覚や気付きを与え、診察技術を向上させるのみならず、医学生が患者の立場に立ってものを考えるきっかけを作ることとなり、高い教育効果を発揮すると期待される。

【35】1F放射線科読影室でのkmustffの電波
関西医科大学 放射線科 学教室
放射線科読影室において、Wi-Fi電波がほとんど届かない。 業務に支障をきたしている例として、スマホを利用して、業務に関するメールを読み込めない。 Teamsを利用した医局会に参加できない。

【34】個人用IDとパスワードを 1種類に統一する
関西医科大学 放射線科 学教室
読影業務および大学の業務に関するページ閲覧を目的として、日常的に10種類のソフトを使用する。 ソフト毎にIDとパスワードが異なっている場合が多い。使用者は覚えられないためデスク周りのメモに控えているが、 セキュリティ面の不適切な行為であり、本末転倒である。"

【33】放射線画像診断における PACSサーバーの容量増加
関西医科大学 放射線科 学教室
画像診断に用いるRIS・PACSシステムがあまりに貧弱でまるで一般開業医レベルである(これらは令和7年5月頃に更新予定のため待つつもり)。併せて現行サーバー容量が小さすぎて診断レベルが30年ほど遅れている。市中病院の大半はマルチモーダルモデル画像と3Ⅾ画像で臨床運用している。

【32】(緊急)入院のとき、 家族に代わって荷物を届けるサービス
関西医科大学 呼吸器外科
入院準備の一環である荷造りと運搬、荷解きが患者の負担となっている。特に緊急入院の場合、患者さんは家に置かれている必要なものを取りに帰らせてほしいとよく言う。可能な場合は取りに帰ってもらうのだが、できない場合もある。また、入院後、必要なものは家族が持参することになるが、家族は来院が難しいこともある。かといって、ホテルと違い、病院に荷物を配送することはできない。超高齢社会を背景に、患者や家族のみでは入院準備ができない事態が頻発することになるだろう。そこで、患者へ荷物を届けるサービス(ビジネスモデル)が求められるのではないかと思われた。 "

【31】手術時の患者の 体位変換を補助するロボット
関西医科大学 呼吸器外科
通常は、仰臥位(あおむけ)で手術を受けることが多いが、呼吸器外科などの手術では患者は側臥位となる。患者の体の下に枕を入れたりする都合のため、今は人力で患者の体位を整えている。カナダでは体位をとるためだけの人員が配置されている場合があるが、日本では働き手不足のためロボット化が必要であろう。そうすれば介助者の足腰への負担も軽減する上、患者もより安全に体位がとれるかもしれない。

【30】マイスケジュール秘書
関西医科大学 呼吸器外科
患者の待ち時間の短縮は、喫緊の課題である。ハード面の改善も必要だが、予約を登録し、診察をする各医師が外来の混雑状態を把握し、大きな偏りがあればそれを調整して外来に臨むことで個人レベルで待ち時間の短縮が図れるかもしれない。しかし(Fujitsu EGMAINの場合)予約の混雑具合は、「9:30-10:00 3/3」のように記されており、それが20人枠に達すると色が変わり満員になったこと示す仕様となっているため、直感的に分かりづらい。 予約取得画面にカメラをかざすと、日付、混雑状況、などが瞬時に可視化される情報ソフトウェアがほしい。

【29】デジタル説明用紙
関西医科大学 呼吸器外科
患者さんに対して重大な病状を説明するとき、医師は言葉と紙ベースの補助資料を用い、できるだけ丁寧に説明する。紙資料はコピーないし原本が患者または家族に渡される。しかしそれは必ずしも書式が定まったものではない。医師の説明音声とともに上書きされていくさまをたどった末に、理解できることもあるだろう。また、患者さんは医師の説明を録音したいと思っているが、後ろめたい気持ちも持ち合わせている。 そこで、「デジタル説明用紙」があれば医師の説明内容をより正確に当事者や、その場に来られなかった家族にも過不足なく伝わるようになるだろう。

【28】医師のことばを翻訳するデバイス:ドクトーク
関西医科大学 呼吸器外科
医師は患者に専門用語を噛み砕いて説明しているものの、それでも患者にとっては難解な単語が残っていることもある。特に、患者にとって深刻な病状を伝えるような場面では、患者は医師の話した内容をつぶさに記憶することは難しい状況に追い込まれている。このような場合、患者が医師の説明を録音する場合もあるが、患者にとって録音することを申告するのは非常にストレスであるし、医師によってはこれを不快に思う場合もあるだろう。 AI翻訳機があれば患者もあとで読み返して質問や論点を整理することができ、医師も、それを印刷・スキャンしたり、「Amivoice」のようにswipeにより電子カルテに保存したりできると後で改めて文字起こしせずに済む。 また、医療現場は専門職の集団であり、医師、看護師、臨床検査技師、理学療法士、言語聴覚士、薬剤師等、専門性の高い異職種が同じ環境で働いており、各々の用いる専門用語が必ずしも正しく伝わっていない可能性もある。 Conferenceなどを録音し文字化し、相互の誤解なく理解を深めることにつながるのではないか。

【26】ナースコールの振り分けAI:Nurse call triage system(N-CATs)
呼吸器外科 医師
緊急コール(心肺停止などに際して緊急事態を告げる警報)を除き、患者が押すナースコールのほとんどは、同じアラーム音がナースステーションに届く設定となっている。看護師はナースコールに対し2,3の受け答えをして緊急度を推測するが、実際には看護師が患者の元を訪れないと把握できないことが多い。 コールボタンを押す→アラーム鳴動→看護師が応答→看護師が訪問する という”電話”スタイルではなく、トリアージの過程が必要である。

【27】問診を最適化するAI
関西医科大学 呼吸器外科
症状がありしんどい患者にとって、同じことを何度も聞かれるのは苦痛である。 患者の状態(主訴)に合わせ最適な問診を提案し、患者が医師の専門外の症状で救急受診しても、その初期診療において専門家が聞くのと同じような問診が行えるAIの開発を求む。

【24】胸腔ドレナージ・ デジタル スタンダダイザー
関西医科大学 呼吸器外科
エアリーク量、胸水の色調の表現はアナログであり、観察者により解釈が必ずしも一致しない。また、排液量のリアルタイム測定ができないため、日々、看護師が1時間毎など必要以上に排液量の目視をせざるを得ない。 現行のアナログ胸腔ドレナージシステムに装着可能な、標準化評価系(デジタルスタンダダイザーと名付けた)を求む。"

【25】転倒予防効果のある椅子
くずは病院 リハビリテーションセンター
転倒予防は高齢者のケアにおいて非常に重要である。一方で、身体拘束や抑制は高齢者の尊厳や自由を損なうため、できる限り最小限に抑えることが求められており、診療報酬改定でも身体拘束・抑制を最小化することを義務化されている。これに対応するため、転倒予防効果と安全性が高く、身体拘束・抑制が最小化を満たす椅子(もしくは車椅子)を求む。

【23】ネックレス型 無呼吸センサー:Neck-Chest Apnea Sensor (NCAS)
関西医科大学 呼吸器外科
現在のモニター類の問題点は①基本的にすべて有線であり不便である、②無呼吸状態をモニタリングできるものはなく、院内で窒息を生じても早期発見できない事例が後を絶たない。現行のSpO2は無呼吸になって約1分後に反応する程度の感度でしかなく低酸素脳症の後遺症を防止することには繋がり難い。 邪魔にならず、常時着用でき、かつ、無呼吸を感知した場合にそれをナースステーションに確実に発信するモニターの開発を求む。(代替案として腹巻きでも良い…腹式呼吸をよくモニターできるうえ、腹部大動脈の振動で脈拍も測定可能なはずである)"

【21】血管表面の緊張度が見えるカメラ
関西医科大学 呼吸器外科
肺切除では肺動脈、肺静脈といった肺と心臓をつなぐ血管を安全に切離する必要がある。 このうち肺動脈は大出血の可能性を秘めた血管であり、これを切離するときに過度な緊張がかかると、後に切離線から出血し血胸をきたす。 肺切除は90%以上が胸腔鏡で行われるが、そのカメラ越しに、血管を切離する際、①きちんと血管に対して切離線が垂直に形成されるか、②血管表面の緊張度はどうなっているかを見て判断に役立てたい。"

【22】ストレスの日常生活下モニタリング・フィードバック・ 呼吸誘導装置
関西医科大学 心療内科学 講座
人はストレス下だと浅く速い呼吸になるが、それに気づいてないことが多い。メンタルヘルスではそれに気づきを得て、呼吸を整えるアプローチ等を指導していく。しかし、その気づきを日常生活下で得ることは非常に難しい。 既に、指輪などに組み込んだ光電式容積脈波センターで呼吸数をモニタリングできる装置はある。この装置に、 ①浅速呼吸を検知する機能、②浅速呼吸の存在を振動等で体感的に気づきを促すフィードバック機能、③振動で適切な呼吸を誘導する機能、を追加した装置の開発をしたい。

【20】針よ輝け
関西医科大学 呼吸器外科
外科医の基本手技は、切る、縫う、結ぶである。縫合においては縫合針を使用する。縫合針の運針にあたっては、針を刺入して、縫い、針先を出すまでの間、組織の中に針先があり外から見えない。針の弯曲、刺入角度等から、針先の位置を予想できることが、熟達した外科医として求められる技量であった。しかし、そのような技量は誰しも会得できるわけではない。 そこで、針先が何らかの方法で「光る」ようにできれば、誰でも運針をより正確に行うことができるはずである。また、運針をトレースできれば、熟達者の動きを、初心者が客観的に学ぶ事ができるようになるだろう。技術を均てん化し、技術を継承するための試みが求められる。

【19】運動誘発電位モニタリングにおける有害事象を防ぐ、バイトブロック
関西医科大学 麻酔科学 講座
脊椎外科、脳神経外科、心臓血管外科の手術において、運動誘発電位(MEP)モニタリングを用いる。MEP モニタリング下では筋弛緩薬の使用が制限され、さらに経頭蓋的に電気刺激を行い咬筋が収縮することから、術中に咬傷関連のトラブルがしばしば生じる。頻度が高いのは、舌咬傷である。腹臥位においては、重力により前方突出した舌を前歯で噛み絞める。仰臥位や舌を口腔内に押し込みすぎた場合においては、舌側方を奥歯で噛み絞める。これらの機序で深刻な舌咬傷を起こすことは症例報告としても多数発表されている。 また、バイトブロックが硬すぎる場合は歯牙損傷、柔らかすぎるならば気管挿管チューブやカフチューブを噛み切る事象が発生する。気管挿管チューブに損傷が加わった場合は、換気不能から急変し得る。 上記の理由により、「適切な硬さ」「舌が前方突出しない」「舌が奥歯でも噛まれない」「気管挿管チューブを逃がすスペースがある」といった条件を満たすバイトブロックが必要だが、現状ではそのような商品は販売されていない。 よって、各施設の麻酔科医は、有り合わせの物品で工夫し対処しているのが現状である。当院においては、他手術でも使用しているシンプルなバイトブロックと、口腔内にガーゼを適切な枚数詰めることで対応している。口腔内にガーゼを詰めることもトラブルを起こし得る(ガーゼの誤飲、抜去し忘れによる換気困難)ので、推奨されることではないと考えているが、現状ではこのように対応するしかない。 他院に対し聴取したこともあるが、大阪大学や、MEP研究が活発な奈良医大においても同様の状況であると聞いている。  MEPモニタリングを併用する手術は、他科においても増加傾向となると思われる。大腸外科、婦人科、腎泌尿器外科などにおいても、実施が検討されている。

【17】深く刺さらない生検針
関西医科大学 呼吸器外科
肺がん疑いの場合、手術時に確定診断をする傾向がある。術中の確定診断方法は①病変部を含む肺部分切除、②生検針(Finecore needle 18G)による生検である。しかし、これにはストッパーなど補助具が付属しておらず、刺した深さは術者の裁量に任されている。深く刺しすぎて心臓または大動脈(肺を隔てた先の臓器)を損傷する可能性がある。 そこでストッパーがあれば、別の臓器を損傷する可能性も低くなるだろう。"

【18】長い皮膚ペンまたは 手術用皮膚ペンホルダー
関西医科大学 呼吸器外科
現在の手術用皮膚ペンは、肺など内臓のマーキングにも用いられている。これは腫瘍の位置や、気管支を切断する方向を確認するための非常に重要な手技である。しかし、現在の皮膚ペンの持ち手の長さは短く(いわゆる普通の文房具の長さ~約12㎝)、胸部手術、特に胸腔鏡手術に不向きである。 そこで長さのある手術用皮膚ペンの開発を求む。"

【15】絡まないコード
関西医科大学 呼吸器外科
内視鏡や電気メスのコードが絡むことは手術開始時のセッティングでストレスフルである。これは滅菌の際にうまくまとめられているが、これを解くとき、99%絡んでしまう。毎回、私はこれで45秒ほど失っている。当院呼吸器外科の年間手術件数は550件であると考えると、9時間以上この非生産的なことのために時間を失っている計算になる。そこで絶対に絡まないコード、または、絶対に絡まないコードのまとめ方・解き方をアシストする用具の開発を求む。

【16】切れ味の良いメス
関西医科大学 呼吸器外科
手術中のメスはディスポーザブルのものが主流だが、たとえば尖刃刀(No.11メス)は気管支に対して一太刀加えただけで切れ味が悪くなる。 切れ味の悪くならないメス、もしくは、その場で研ぐことが可能な砥石をつかうことであと2-3太刀切れるようにならないだろうか。 砥石ができれば、外来でも、刃こぼれの目立つハサミを滅菌して繰り返し使っているが、このようなものの切れ味を、可能な範囲で取り戻させる事ができるかもしれない。 成果物は、手術の安全性の向上をもたらし、患者の苦痛も軽減する。

【14】乳がん術後出血を予防するバストバンド
関西医科大学 乳腺 外科
現在使用しているバストバンドは、動くとずれる(特に尾側にずれてくる)、腋窩や上方の圧迫が不十分になりやすいという難点がある。しかし、比較的安価であり使用しているのが現状である。 ベスト型にすると、圧迫しやすいとは思うがコスト面で難しい可能性があるのかもしれない。 術後出血を効率的に予防するために腋窩や上方まで圧迫できるバンドがあればと期待している。

【13】気圧を跳ね返す胸巻き
関西医科大学 呼吸器外科
胸部手術後の患者は、たとえ胸腔鏡で手術が行われたとしても約半数が肋間神経傷害性疼痛に悩まされる。 肋間神経が傷害されることによる異常感覚が主体であり、気温や気圧の変化により違和感が増す。 温度に対しては腹巻きを胸に巻くなどで温め違和感を減弱させているが、気圧に対しては対抗措置がない。 気圧の場合に創部違和感が強くなるようである。 肋間神経障害性疼痛の緩和を目的とした、気圧の変化をキャンセルできるような「胸巻き」があれば患者の不快感は軽減するのではないだろうか。

【11】外科医の「クビ」を護る装具
関西医科大学 呼吸器外科
スマートフォンの爆発的な普及により、世界では下方を注視する姿勢をとり続けることによる頸部の負担、ストレートネックが問題となっている。以前から、外科医は頚部痛に悩んでいる。なぜなら、外科医の注視する対象、すなわち術野は、殆どの場合下方に位置するためである。今でこそ、内視鏡手術はモニター視、すなわち目線が上方に向く姿勢で手術ができるようになってきた。しかし、内視鏡によらない手術も数多くあり、そのような手術は多くの場合、複雑な手技を要求し、手術時間も長くなる。ゆえに外科医の頸部に負担がかかるのである。 一般向けには頸部コルセットなどもあるが、手術室で使えるような、外科医のクビを護れるような装具等はないだろうか。別記足腰負担軽減装具とともに潜在的ニーズは大きいはずである。

【12】はだけない病衣 (ぼくらの尊厳を まもる服)
関西医科大学 呼吸器外科
患者の尊厳を守る一つのツールとして、服装がある。 病衣は、着脱が簡単で、診察や処置がしやすくなっている。基本的な構造は上が作務衣、下がズボンの2-pieceと、上下が浴衣のような構造になっている1-pieceの2タイプであろう。特に重症患者は後者が適用されることが多いが、例えば複数のドレーンが体内に入っている状態だと、リハビリ時や歩行時に、鼠径部あたりで浴衣が開ける形となり、プライバシーの観点から好ましからざる状態となっていることがある。 処置・診察・看護の利便性を損なわない範囲で、患者の尊厳・プライバシーを守れる病衣を開発するべきではないだろうか。

【10】装着介助が簡単な 腰椎疾患への フレームコルセット
くずは病院 リハビリテーションセンター
整形外科の手術で腰椎固定した後、一定期間コルセットを装着するが、術後早期の疼痛の強い時期や、高齢者へのフレームコルセット着脱は非常に手間取ることが多く、医療従事者、患者どちらも負担が大きい。腰椎を自然な位置に保持し、不適切な姿勢による負担を軽減することがコルセットの役割である。 簡単に装着できて軽量かつ固定強度を兼ね備えたフレームコルセット。柔らかく通気性のあるパッドや、長時間の装着でも不快感がない設計が理想である。さらに、簡単に調整可能なストラップを備え、個々の患者の体型や症状に応じてフィットするように設計されていることが重要と考える。

【9】温罨法の効果を高める保温ジェルとベスト
関西医科大学 心療内科学 講座
腹背部や頚肩腕の痛み、便通異常に対して、日常ケアとして温罨法は日々行われている。現在痛み等のある患者が、温めたタオルや保温ジェルを持って対応している状況であり、負担の大きさや1カ所しか温められないことが課題である。 一方、温めたタオルは短時間で冷えてしまう、現状の保温ジェルは初期温度が低いという課題もある。保温ジェルの温度や保温時間を改良した保温ジェルがほしい。 内臓痛の場合は腹部と背部、頚肩腕の場合は左右のように2カ所以上の温罨法が望まれる。腹部、背部、頚肩腕の部分に 保温ジェルを収納できるベスト等があると使用者の満足度があがり、医療従事者の負担が減ると考えられる。

【8】手術中の体圧分布センサー(アラーム付き)
関西医科大学 手術室
全身・部分用の体圧分布センサーはあるが、手術に対応した形の体圧分布センサーがあれば、術中除圧のタイミングを 正確に認識でき、医師と看護師との間で協働できる環境を作ることができる。 2000Hg以上の圧力を感知したらアラームが鳴る。 また、エビデンスのあるケアができるため、看護師の仕事軽減にもつながり、患者の安全も守ることができる。 現在は1~2時間おきに除圧を実施しているが、それが適しているかの根拠は示せない。

【6】手術時に使用する 踏み台の高さ調節
関西医科大学 手術室
執刀医の背に合わせたベッドの高さで手術をおこなう。そのため、助手や看護師は踏み台に乗った状態でサポートを実施する。しかし、その踏み台はベストな高さではない。身長には個人差があるため、使用者が使用者にあった高さに調節できる踏み台を求む。 また、その踏み台の足底接地面には、足への負担を軽減する素材が使われたら、長時間の手術の場合でも足への負担は楽になるかもしれない。

【7】放射線防護プロテクターの下に着る汗
関西医科大学 手術室
匂い吸収ベスト" "放射線防護プロテクターは重量があり、通気性も悪く、洗濯することができない。また、高価な製品であるためスタッフ間で共用されることが多く、衛生面の懸念が生じる。整形外科、血管治療、泌尿器、アンギオなどの手術においてプロテクターを着用する。着用しながら、体を動かすため、匂い移り、汗の付着が生じる。装着時に不快感がある。 汗の吸収、匂い移りの防止の機能を有するディスポ製品を求む。保冷剤を納めることができるポケット付きのベストをプロテクターの下に着ることで暑さ対策になるとのぞましい。プロテクターを使用する場面に限らず、暑い環境下で手術するときも使用することを想定している。

【4】超音波プローブ 保持装置
関西医科大学 心療内科学 講座
超音波ガイド下のブロック注射や中心静脈穿刺等は、多くの診療科で日常的に行われている。 術者が非利き手で超音波プローブを保持することが多いが、プローブ保持のために別の術者が必要なこともある。また、 利き手で処置をするために術者が無理な姿勢をとらざるを得ないことも多く、測定者と術者ともに、超音波プローブを機械的に保持する装置の開発を求む。

【5】手術室で働く医師/看護師の足腰を守りたい
関西医科大学 呼吸器外科
手術室において患者さんは手術台の上に横になり、手術を受ける。この手術台は高さを調整できるものの、医師/看護師は手術中、膝や腰に無理な負担がかかるような肢位を余儀なくされることも多い。そこで、手術中の医師/看護師の肢位をつぶさに調査し、各々に見合った補助具を開発使用する事ができるようになれば、外科医/看護師生命も延長され、将来予想される人手不足にも対応できるのではないだろうか。

【3】ストッパー付き 点滴スタンド
関西医科大学 呼吸器 外科
点滴スタンドは患者さんが点滴・輸液ポンプを使用したまま歩行する際に使用される非常に便利で有用な医療器具である。 しかしながら、点滴スタンドに体重をかけて立ち上がろうとして転倒する事例も珍しくなく、病院当直時に診療を依頼された経験も少なくない。 従来の点滴スタンドに握りこみ型のブレーキ、あるいは車輪のストッパーを装着することにより点滴スタンドを固定し、 患者さんが立位となる際に支えとして用いたとしても(ベッドサイドでは)転倒せず、入院中の予期せぬ事故やインシデント予防に有用と考える。

【2】ネブライザーを効果的に使用するための固定具 &水滴が発生しない装置
関西医科大学 医療安全管理部
排痰、気道浄化を行うためにネブライザーを実施するが、口元や気管切開チューブ孔を適した位置に固定することが難しく、タオルや洗濯ばさみで工夫している状況。しかし、効果的な位置とならず、シーツや布団、患者の衣服が濡れてしまうことが多い。 加湿を行っているので仕方がない気もするが、水滴が多いため、水滴が少ないネブライザーがほしい。

【1】タンク付き シャワーボトル
関西医科大学 医療安全管理部
ベッド上で洗髪を行う際にシャワーボトルを使用しているが、何本も用意する必要があり、ワゴンの上に置いていると倒れて水をこぼすこともある。 水遊びで使用する水鉄砲のように、大きなタンクが別にあり手元のレバーで水が出せるようなものがほしい。 タンクの容量と毛髪量によっては連続で複数の患者の洗髪もできるようになる。

ベッド上での食事自力摂取に適した食具等の工夫
嚥下障害やエアマットによる角度制限の他、座位が不安定で上肢の機能が阻害されている患者に対して、自力摂取が行いやすいように皿やテーブル等の工夫をしたい。

施設内用の簡易連絡端末
従来の伝言板では確認しにいかなければならず、内線では情報を伝えるまでに伝言ゲームになってしまう。また職員全員分のPHSは導入できないため、音声入力などの機能を用いて簡便に情報共有できる「現代版ポケットベル」が欲しい。

荷重量の可視化ができる歩行器
歩行器使用中の点等リスク軽減や歩行器に頼る量を少しずつ減らしていくことで、歩行器なしの歩行へ安全かつスムーズに移行を目的に荷重量が可視化できるデバイス。

自動ブレーキ+フットレストが自動で処理される車椅子
秋田県立リハビリテーション・精神医療センター 理学療法士
車椅子操作に不慣れな使用者はブレーキやフットレストを忘れる方がいる。そんな方でも安全に移乗ができ、また介助者がブレーキフットレストの処理をしなくて済む車椅子が欲しい。

CIEDs(植込み型心臓電気デバイス)植込み術時の医療材料
市立秋田総合病院
CIEDs治療を行う際に使用するリード線が販売終了となったため代替品が欲しい。

車椅子に座ったままベッド等への移動
市立秋田総合病院 臨床工学技士
車椅子からベッドなどに移動する場合、使用者本人が立つ必要があり負担がかかるため、車椅子に座ったまま移動できる装置のアイディア。

Inbody適正体重表示外部モニター
市立秋田総合病院 臨床工学技士
現状はInbodyで測定したデータをUSBに出力し、人工透析をおこなっている患者さんが脱水状態もしくは鬱血状態になっていないか別のパソコンで計算しているが、その場で表示できるデバイスがあれば、その場で結果を患者さんに伝えることができる。

高齢者天蓋部粉砕骨折に対する一期的人工足関節デバイスを開発したい
東京都
高齢者の天蓋部粉砕骨折は、骨接合術での再建が困難な場合も多く、二期的に関節固定術になる場合もある。他方、股関節や膝関節は骨折に対して一期的に人工関節を行う場合も多々あり、同様に足関節に対しても一期的に人工足関節を行うことができれば有用であると考えている。現時点の問題点は天蓋部が粉砕している場合、通常の人工足関節の脛骨側の固定がセメント、セメントレスに関わらず困難であるという事である。これを解消するための方法を考えていまる。

足関節・足部の人工靭帯再建の新たな固定用インプラントを開発したい
慢性足関節不安定症に対して本邦から人工靭帯による再建術の報告がされており小児や全身弛緩性のある例には良い適応とされている。人工靭帯の固定法はdoublestaple法(2本の金属性stapleで人工靭帯を折り返して骨表面に固定する)が一般的であるが、距骨側は固定面が狭く、踵骨側は骨質から十分な固定性が得られない為、使用が困難である。新たな固定用のインプラントを開発したい。

開大式骨切り術で使用できる固定材料を開発したい
東京都
近年,足の外科領域では開大式骨切り術を行うことが増えてきており,変形性足関節症や扁平足の治療に用いられている.早期に荷重歩行を再開するためには,強固な固定材料が必要であるが,現状のものはその適合性や強度において,十分とは言えない.開大式骨切り術で生じるスペースを効率よく埋め,骨癒合を促進する器材を開発したい.

後足部の角度を調整する器械を開発したい
東京都
後足部内外反がある患者さんのレントゲン撮影時や、インソール作成時に角度調整が簡単にできる器械を開発したい。

足関節位置覚のトレーニングができる機器を開発したい
広島県
足関節の怪我や手術後のリハビリにおいて、おかしくなってしまった足関節の関節位置覚を回復させることは重要である。関節位置覚を改善させるアイデアはあるが、現状、足関節の位置覚を改善させるための機器がない。ゲーム感覚でこれが成し遂げられる機器を開発したい。

外反母趾に対するLapidus法に対する骨切りガイドを開発したい
東京都
中足楔状関節の不安定性を伴う外反母趾に対しては中足楔状関節固定を行うLapidus法が行われる。Lapidus法に際しては 第1・2中足骨間角や回旋、短縮などの矯正量の調整が必要であるが、正確な骨切りは難しい。正確な骨切りが可能ガイドによりLapidus法の普及・簡便化に繋がることが期待できる。

伝達麻酔における注射ホルダーの開発を開発したい
広島県
坐骨神経ブロックや伏在神経ブロックなどの伝達麻酔を行う際、片手でエコープローブを操作して目的の神経に安定して注射針を進めるのは難しいと思われる。プローブに注射の針を目的の神経に安定して確実に注射針を進めるガイドがあれば初心者でも伝達麻酔ができると思われる。血管用のエコー下注射用ガイドはすでに存在するが、伝達用に改良したものを開発したい。

足関節底屈位で着用できるソフトブレースの開発
兵庫県
アキレス腱断裂では、硬性アキレス腱装具が使用される。大きさや硬さ、重さ、衛生面などの点から特に屋内での着用が困難となる。一方、足関節捻挫用にはソフトブレースが種々用意されているが、アキレス腱用のものはない。アキレス腱用ソフトブレースの開発をしたい。

キルシュナー鋼線の断端の改良
長崎県
足の外科に限らず多くの分野で、おそらく最も多く手術で用いられるデバイスの一つであるキルシュナー鋼線の断端による不都合や合併症が生じることがある。安全な形状の鋼線の断端への改良をしたい。

骨折手術の術前計画をサポートするプログラム
北海道
骨折に対する手術の固定方法としてスクリューで骨折部に圧迫力をかけるが、複雑な骨折面に対して、どこからどの角度でスクリューを刺入すれば良いのかを決定することは難しい。そこで、CTデータから得られる骨折面の情報を元に、至適なスクリューのエントリーポイントやスクリューの刺入方向をシミュレーションできるプログラムの開発を行いたい

足趾に鋼線を容易に刺入するためのデバイスを開発したい
福岡県
足趾形成術の際に、足趾から中足骨までk-wireで仮固定を行うことがあるが、趾先から基節骨関節面の中央を貫いて、中足骨まで鋼線を刺入することは必ずしも容易ではない。手術時間の短縮のため、期待通りの位置に鋼線を刺入するためのターゲットデバイスを開発したい。

足部の清拭・解放創洗浄用の微細気泡発生装置の開発
大阪府
術後創部感染が多いとされる足部手術において、微細気泡を用いた術前清拭の有用性が報告された。感染を伴う開放創に対する創部治癒効果の可能性も指摘されている。そこで、足部に特化した微細気泡発生装置を開発したいと考えている。足部難治性潰瘍や足部手術への更なる応用を期待できると思われる。

外反母趾の最小侵襲手術用器具を開発したい
千葉県
外反母趾の最小侵襲手術(MIS)は良好な成績が示される一方で、手術に習熟するまでのラーニング・カーブが長いと言われている。それを解決するため、近年、欧米ではMISを支援するための新しい器具が次々と開発されているが、日本には導入されていない。日本で、海外へ売り込めるような新しいMIS用器具を開発したい。

脛骨矯正骨切り術後の固定材料を開発したい
大阪府
遠位脛骨斜め骨切り術など矯正骨切り術後に、その新しい骨面形状や皮下組織状態は患者・症例それぞれで多彩であり、プレート選択やベンディングの仕方がまちまちである。皮下組織への悪影響や矯正後の骨面形状を考えたカスタムメイドの固定材料を開発したい。

学習型AI機能を搭載したエコー機器の開発
大阪府
これからの時代、エコーを用いた足の外科分野の手術の可能性も唱えられている中、誰でも安全かつ簡便にエコー機器による介入技術の向上を図れるのが望ましい。そこで、適切な画像表示・介入手技を優しく誘導してくれる学習型AIを搭載したエコー機器を開発し、手術手技の発展につなげたい。

廉価版立位CT装置の作成
大阪府
下肢の最も最下流に位置する足部の手術を行う際に、荷重ライン・荷重分布を3次元的に術前・術後に把握することは重要であると考えている。そのため、立位でのCTデータを取得することは重要だが、装置が非常に高価であるため、広く病院に導入することは現段階では現実的ではない。そのため、廉価版の立位CTを作成し、術前・術後の状態把握に役立てたい。

骨釘作成機と骨釘挿入機
三重県
距骨骨軟骨損傷において骨軟骨片を固定する場合、骨釘を用いることがあるが、現在、骨釘の作成はフリーハンドで行われており、直径を整えたり、長さを整えるのに時間と労力を要する。より容易に骨釘を作成する機器を開発したい。 また、この骨釘挿入時のガイドも適切なものがなく、ガイドを開発したい。足の外科領域のみならず、他の関節の離断性骨軟骨片や関節内骨折でも応用が利くため、汎用性の高い器材になりうると考えている。 具体的なアイデアを持っている。

髄腔内を安全に掘削するドリルを開発したい
静岡県
JONES骨折といわれる足の中足骨骨折疲労骨折はサッカーをはじめアスリートの疲労骨折として多い疾患である。骨折部には骨が増生して髄腔が狭小化している事が多く、骨髄内にスクリューを挿入する際に障害になり、通常のドリルで同部を削るのには限界がある。安全に髄腔内を掘削するドリルが欲しいです。

硬性材を用いずに、急な外力が加わった時に固定力が増大する足関節サポーター
千葉県
足関節不安定性を要する患者は、スポーツ時などに足関節サポーターを着用する必要がある。しかし、その際に必要なサポーターは固定力を上げるために硬性のプラスチックで外固定しなければならず、 • 靴の着用時で使用する際には、靴のアッパーを緩めて着用しなければならない • 裸足でのスポーツ時には硬い部分が邪魔で使用できない などのデメリットがあり使用する際に問題が生じる。 そこで、捻挫の予防のために、急なストレスが加わると反応し、伸張ストレスにストップがかかるような硬性材を使用しない足関節サポーターを開発したい。

超音波診断装置のプローブの傾きがリアルタイムにわかる装置
千葉県
超音波診断装置を用いた各種の計測は再現性のある計測が困難である。その一つの理由としてプローブを常に一定の角度に保つことが難しいことがあげられる。臨床の診断においても臨床研究においても常に一定の角度でプローブを充てることが大切である。プローブの傾きがリアルタイムに表示できるような装置を開発したい。

足変形のある患者さんに、靴があっていないことがひと目でわかる靴の開発
大阪府
本邦では欧米と異なり靴文化の歴史は浅く靴に対する教育や理解が大変遅れている。その結果、靴の選び方や履き方が適切でないために生ずる疼痛や歩きにくさで歩行機会を減らしている方が多くおられる。しかし、成熟した靴文化を持たない本邦では、患者さんに靴の問題をご理解いただくことが必ずしも容易ではない。 解決法のひとつとして、加齢や関節リウマチなどの疾患で足変形がある患者さんに、靴の中で変形した足や趾がどのように靴とあたったりこすれたりしているかがわかる靴を開発する。すでに具体的なアイデアがある。 これにより適切ではない靴の選択や履き方による靴障害由来の疼痛で歩行機会を減じて要介護になってゆく高齢者を減らすとともに、日本の靴文化の向上により豊かな高齢化社会を作ることに寄与すると考える。

足部用の局所陰圧閉鎖療法(NPWT)装置
静岡県
足部用の局所陰圧閉鎖療法(NPWT)装置 足部の手術では創傷の離開など問題を生じることが多い。局所陰圧閉鎖療法は有効な対策と考えるが、足部は表面の凹凸や足趾・趾間の存在などのため上手く密閉したりpadを固定したりできない。 足部にフィットする局所陰圧閉鎖療法のキットの開発を希望する。

足部手術で軟部組織をまきこまずにKirchner鋼線をスムーズに入れるためのレトラクター兼用スリーブを作成したい
岡山県
足趾の手術においてK-鋼線を使用することは多いが、挿入の際に軟部組織(神経、血管、腱)などを巻き込んでしまう危険性が高い。また刺入点でブレを生じて狙った位置に挿入できないこともある。足部の骨は小さくすべりやすく挿入に苦労するが、何度もやり直しすることによって骨折を起こす危険性もある。スリーブの長さや先端の形状、材質を工夫することによってストレスなくスムーズに挿入できれば手術の質がさらに向上できると考える。

創外固定器の軽量小型の自動延長器を開発したい
茨城県
創外固定器の軽量小型の自動延長器を開発したい 骨腫瘍や骨髄炎、外傷などの後遺症としてしばしば大きな骨欠損、短縮、変形が生じることがあり、その治療として創外固定器による骨延長や変形矯正手術が行われている。延長や矯正は、創外固定のリングを連結している延長器を1日1mm、2〜4回に分けて人の手で延長する。より頻回に分けて延長すると骨形成は良好となることがわかっているが、現実的に、人の手で行う場合それほど頻回に分けて延長することは困難である。これまでも機械による自動延長器が存在したが、大きなバッテリーや長いコードがついており、携帯性に欠ける。そこで、軽量、小型な自動延長器を開発したい。

摩擦熱の少ない鋼線を開発したい
茨城県
摩擦熱の少ない鋼線を開発したい 骨にワイヤーやドリルを刺入する際、摩擦熱が生じる。硬い骨に刺入する場合は、より高熱が生じやすく、骨や周囲の軟部組織の熱性壊死を生じ、そのため、骨折の癒合不全や感染の原因となることがある。 既存のキルシュナーワイヤーや創外固定用のワイヤーに代わる摩擦熱の少ない、破損しにくい鋼線を開発したい。

体内で溶ける軟鋼線
東京都
骨折の治療などの際に使用される軟鋼線で,体内で溶解するものを開発したい。 それによって抜去手術が不要となり,患者の身体的・精神的負担を軽減できる。 また,医療現場の負担軽減につながり,医療費の削減が期待できる。 具体的な材料について案がある。

足ゆびの筋力を簡便に測ることができ、臨床で広く使える機器を開発したい
北海道
足ゆびの機能や筋力は、足アーチの保持、歩行や走行、バランス機能、転倒予防、運動パフォーマンスなどに関連し、子供から高齢者までの運動や動作に重要です。足や体の疾患、障害の発生にも関連します。研究によってこれらのことが解明され、各種の足ゆびトレーニング法も報告されていますが、足ゆび筋力の状態やトレーニング効果を評価する機器がありません。研究レベルで使用可能なものはありますが高価で、臨床で簡便に使用することができません。提案者は足ゆびについての研究を、解剖から機能にわたり長年取り組んできました。そして、足ゆびの力は重要で、力を測定する機器のプロトタイプを作製しました。足ゆびの力の測定器を臨床で広く使えるように開発を進めたく希望します。

ステンレスの小骨用ステープルを作ってほしい
宮城県
ステンレスの小骨用ステープルを作ってください。このようなクリップは小さい骨を接合する際に任意のコンプレッションがかけられることで、足の骨手術には非常に適すると考えられます。作っていただきたい製品のイメージを具体的に提示できます。

足関節鏡の手技を容易にするための、関節腔を拡大するデバイス
千葉県
足関節鏡手術の件数は、手術器械の進歩とともに急激に増えている。しかし、足関節は膝や肩関節に比べて空間が狭いために器械の操作が難しく、関節鏡手術の普及を妨げている。関節腔を広げるデバイスがあれば、手術が容易になり、足関節鏡手術がさらに普及する。非常に多い疾患である足関節捻挫や骨折に対する手術でも関節鏡手術が普及しつつあるため、需要は非常に多いと思われる。

足首や下腿の腫れを簡単に計測できるスマホアプリ
千葉県
足首の捻挫、骨折から下肢の静脈瘤など、多くの疾患で足首や下腿が腫れる。疾患の重症度や治療効果の判定には、腫脹の評価は必須である。現在は、メジャーでふくらはぎや足首の太さを計測するといった不正確かつ手間のかかる方法が用いられている。スマホで正確かつ簡単に足首や下腿の腫脹を簡単に計測できるアプリがあれば、大変有用である。対象疾患は下腿静脈瘤など整形外科疾患にとどまらず広く応用できる。また、医師だけでなく看護師や理学療法士など多職種で利用可能なため、潜在的な需要は膨大である。

超音波エコーを用いた注射の訓練用シミュレーター
千葉県
整形外科における画像診断は、従来のX線検査から超音波エコーへのパラダイムシフトが起きており、毎週のように全国でセミナーが行われている。エコーは、診断だけでなく全身の関節や筋、神経への注射にも用いることができるため、地域のクリニックから総合病院の診療までさらにはペインクリニック、麻酔科、リウマチ科など多様な診療科で必須のツールになっている。エコー下注射は技術を要するため訓練が必要だが、現在は臨床で「やりながら覚える」という非常に危険な状況である。心肺蘇生や関節注射シミュレーター(人形)と同様のエコー下注射シミュレーターは、医師が安全に技術を習得するためにとても有用である。エコー下注射は通常の関節注射と異なり、シミュレーターにはエコーを見ることができるという特殊な機構が必要と思われる。エコーの需要が爆発的に増加している近年の状況より、本シミュレーターの需要ははかりしれない。

足部足関節手術時の体位固定用デバイス
茨城県
足部足関節手術では仰臥位、側臥位における股関節の肢位によって体位に影響をうける。肢位を固定するために助手が一人必要なこともあり、人員が不足すると手術の難易度があがる。私は手術体位の重要性を強く感じており、多くの枕や体側支持器などを使用して、手術しやすい体位を追及している。そのなかで、体位を固定・変化させることのできる下肢専用陰圧式固定具があれば、足の外科の多くの手術が非常にやりやすくなると考えている。型・大きさなどは検討済であり、作ってくれる人がいたらぜひ製品化したい。そうすれば多く専用体位固定器具を買わなくてもこれだけでほとんどの体位を取ることが可能になるだろう。

足関節鏡手術に使用する足関節の牽引装置について、より多くの医療機関が導入しやすいものを開発したい
足関節鏡は徐々に広がっている手術手技である。手術にあたっては足関節の牽引が必要となるが、既存の牽引装置は操作性とコストの両面に問題があると考える。低コストで導入可能かつ消耗品コストの低額な牽引装置の必要性は高い。牽引装置の仕様として、手術ベッドのフレームに取り付け可能、3-10㎏程度の牽引力維持、術野に露出する部材の滅菌性、手術操作に対して空間的に干渉しないといった特性が求められる

足の外科医監修によるタオルギャザー運動の訓練用タオル ( マット ) を開発したい
足部・足関節疾患のリハビリのひとつとしてタオルギャザー(足指でタオルをたぐり寄せる運動)がしばしば行われます。問題は続かないことが多いことです。そこでなるべく続けられるように工夫を施したタオルギャザー用のタオル(マット)を開発したいと思っております。近年、ロコモディブ症候群や高齢者の転倒予防にも非常に効果がある運動とされており、マーケットは、足部・足関節疾患、高齢者など非常に大きいものと考えます。

四肢外傷用の固定具を開発したい
骨折や関節捻挫に対する応急処置として副木等で患部を固定する必要がある。しかし、実際、多くのスポーツの現場では固定具の常備はなく、病院や救急隊の搬送後に行われている。一般的な固定具は医療機器で高価、一般購入が難しいなどの問題がある。足関節捻挫は四肢外傷の中で最も頻度が高く、まず足関節に特化した、製紙技術を応用した固定具を開発したい。スポーツが行われる現場(体育館、施設、各スポーツ競技団体、等)で導入されれば非常に大きな市場となると思われる。

変形性足関節症に対する足関節固定術専用プレートを開発したい
変形性足関節症は足の外科分野でよくみられるものであり、手術方法として足関節固定術は標準的なものである。固定材料としてスクリューやプレートがあるが、この部位に特化した専用プレートは自由に使用できる状態になっておらず、また必ずしも日本人にフィットしない。従って現状では他の骨折用のプレートを代用することがほとんどであるが、解剖学的にフィットしないため術中の労力が大きく術後の問題点も生じやすい。日本人の足関節にフィットする専用プレートの開発を期待したい。