視聴には、「国立大学法人 電気通信大学 脳・医工学研究センター」の参加登録が必要となります。
概要:生体内の非侵襲可視化手法であるMRIについて,近年,4D Flow MRIに代表される流体計測への応用が期待されている.ただし,MRI計測データには流動場の形状や流速分布に依存するアーチファクトが含まれ,生体内の複雑な流れに対して,データの定量性に疑問が持たれてきた.この問題に対して,計算力学分野では数値流体力学を援用したデータ同化により,MRI計測の補間が試みられてきた.しかし, MRIに内在するアーチファクトの物理的性質の理解が十分でなく,補間にあたって大幅な簡易化や仮定を必要とした.発表者らはこの状況を打開するため,巨視的な流体場を記述する連続体力学の視点から,MRI流体計測の基盤となるMR物理の再解釈を進めている.本講演では,我々の最近の成果に基づき,分子拡散から乱流計測まで,MRI流体計測で提案されてきた各手法を統一的に理解するための数理的枠組みを紹介する.