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本講演では,視覚表象が時間の中で形成されていく過程を,特徴統合,時間的拡張,および主観的鮮明さの観点から検討する。まず,色と運動の特徴統合研究を取り上げ,視覚特徴が同一対象として結びつく過程が即時に成立するわけではなく,統合の成立に一定の時間が必要であることを実験的に示し,特徴統合が初期視覚野の処理のみでは十分に説明できない可能性を示唆する。次に,シーン知覚における時間的拡張の研究を紹介し,周辺視野情報を含むシーン表象が時間の経過とともに中心から周辺へと展開していく過程について議論する。さらに,主観的鮮明さ(vividness)が実際の視覚情報量を超えて拡張される可能性を検討する。これらの研究を通して,視覚表象が異なる処理段階で形成される可能性を示すとともに,それらがどのように結びつくのかという理論的課題を提起する。