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本研究では,日本の医療機器エコシステム拠点におけるリーダーシップ行動と,その行動がエコシステムの健全性に与える影響に関する仮説を構築するための探索的事例研究を行った。先行研究より構築した理論的フレームワークに基づき,日本の医療機器エコシステム拠点を主導する識者に対しインタビューを行い,得られた逐語データを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)により分析した。
分析の結果,日本の医療機器エコシステムにおけるリーダーシップの役割は,大局的にはエコシステム機能の開始→維持→発展のプロセスを統治することにあり,プロセスごとに適した多様なリーダーシップ行動をとっていることが明らかとなった。そして,このようなリーダーシップ行動は,生産性,堅牢性,ニッチ創出という医療機器エコシステムの健全性に影響を与えていることが示唆された。