概要:
我々の身体運動は脳深部を含む脳ネットワークが脊髄を介して筋を収縮し達成される。従来、運動時に使用できる神経活動計測手法(例:脳波や筋電図)では脳深部や脊髄の活動を調べることは困難であった。本セミナーでは発表者が取り組んできたヒト全身運動時の脳深部や脊髄神経細胞の活動評価に関する研究について紹介する。具体的には以下の2つ関する研究を主に紹介する。1. 深層学習による逆問題解析を応用した高密度脳波と解剖MRIによる脳深部の活動推定 (Yokoyama et al., APL Bioeng, 2024)。 2.信号源分離を利用した高密度筋電図による脊髄運動ニューロンの発火推定と歩行時への応用(Yokoyama et al., J Neural Eng, 2023)。また、近年取り組んでいる、新たなドライ脳波・筋電図電極であるマイクロニードル電極を用いた簡便かつ高品質な生体信号計測についても紹介する。