関西医科大学 医療ニーズ発表会

【2025_46】胸腔ドレーン挿入をより安全に:DigiProPortのもたらす革新
icon
関西医科大学 呼吸器外科
胸腔ドレーン挿入は救急の場面あるいは呼吸器診療の場面で必要不可欠な治療行為である。気胸、血胸、膿胸、胸水貯留の各場面で安全な挿入が求められるが、困難症例では肺損傷(ドレーンの肺内への迷入)が後を絶たない。予防法として、挿入点から胸腔内に左手人差し指を入れ中を触診し、右手に持ったドレーンを挿入する方法があるが、ドレーンを挿入する時点で左手人差し指は抜いており、入れたドレーンがどのような方向に向かうかは、内筒(スタイレット)の入った状態でのドレーンを、留置したい方向に向け挿入するのであるが、必ずしもその意図通りにはならない。これに際して以下のトラブルが生ずる場合がある。
① 左手人差し指でつけた道筋から外れ皮下にドレーンが迷入する(無意味なドレーンとなり再挿入が必要)
② 肺に迷入し肺損傷を来す(出血、空気塞栓の危険があり、最終的に手術が必要になる可能性が高い)。特にスタイレットを過信し死亡事故に至ることもあるため、筆者はスタイレットの使用に否定的であるが、ドレーンに「腰」がないためふにゃふにゃしてあらぬ方向に留置される可能性を懸念し、未だにスタイレット入りのいわゆるトロッカーカテーテルを使用する場合が多い。